2014年1月から、利賀ゼミではあるプロジェクトを育ててきました。
始まりは実は2012年の春にまで遡ります。
今回の記事ではプロジェクトの軌跡をまとめてみました。
村に古くから伝わる生活の知恵「手業(てわざ)」にアートとしての価値を見出していくプロジェクト
プロジェクトの過程ではコミュニケーションを通じて手業が継承されていくことを目指しています
私たちは「懐かしくて、新しい」と言う感情にこそ、新たな価値のヒントがあると考えています。
2012年おばあちゃんから村に古くから伝わる藁(わら)を用いた手業を教えてもらいました。その日、おばあちゃんは初めての弟子ができたと喜んでくれました。
ある日、おばあちゃんに葦(よし)と言う背の高く丈夫な雑草があることを教えてもらいました。
2013年の秋に私達と一緒に収穫したその葦を使って、おばあちゃん達は冬の間によしずを編んでくれていました。
おばあちゃん達に触発されて私たちも葦で何かを作れないかを模索し、そしてヒンメリと出会いました。
※ヒンメリは、北欧の田舎町で生まれた麦わらを使った伝
語源は「天」を意味し、収穫祭や太陽神の誕生祭
2014年に入ってから都内で3回(1,5,7月)、村で1回(7月)イベントを行い8/9~11で開催された「UWABATAKE Art ’14 Teppen ↑」、通称、上畠アートに向けて準備をしてきました。
(過去の活動履歴はこちらから)
今回の上畠アートで私たちは「村とアート」をテーマに2つのことに挑戦しました。
「インスタレーションは絵本の1ページ目のような存在」だとアーティストさんは言います。
見た人がそこから自分なりの物語を想像できるような作品であって欲しいと言う想いがその言葉には含まれているのだと思います。
私たちは今回、ヒンメリを用いたインスタレーションに挑戦しました。
私たちは会社員や学生がメンバーの中心でアートに関しては素人です。それでも何度か上畠アートに参加してアートの見方が少しだけ分かるようになってきました。
しかし、いざ自分でインスタレーションに挑戦してみて、その難しさに驚きました。結果的に今回私たちができたのはせいぜい飾り付けだったのではないかと思います。
※上畠アートのシンボル「のぼり」×利賀の葦でつくった「ヒンメリ」・「よしず」
写真を撮ってくれている方がいたり、綺麗だねと褒めていただけたことは素直に嬉しかったです。
私たちは今回、もうひとつ葦を用いたワークショップにも挑戦しました。
上畠アート期間中3日間を通じて来場されたお客さんに利賀の葦でつくるヒンメリワークショップと題して、ヒンメリを一緒に作りながら会話の中で私たちの活動のことを紹介しました。
おばあちゃんたちが「今日はとても楽しかった。来てよかったよ。」と言ってくれたことが何よりも嬉しく、よしず編みを通じて子供とおばあちゃんの間に自然と会話が生まれていたことに驚きました。
上畠アートは次回は2016年に開催予定です。
2年間の準備期間でこの手業アートプロジェクトを育て、進化させていけたらと思います。
ご来場頂いた皆様、力を貸して頂いた皆様、本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します!!
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